困難な日常の中に必要にかられて生み出された 襤褸（ぼろ）

困難な日常の中に必要にかられて生み出された　襤褸（ぼろ）

朽ちてく布に布をあてがいあてがい、糸を刺し

国は違えど　人は繕う。



母は四国生まれの信心深いというか、

お仏壇と神棚があるのが当たり前の生き方で育ち信仰心を持った人で

娘である私は、興味があったり、無かったりという大阪生まれの　　　

大みそかは寺に、初詣は神社にという大多数の人と同じの信仰具合。

そんな我が家に毎月2回、母宛に高野山から真言宗の会報誌が届きます。



前置きが長くなりましたが　画像はその会報誌に載っていたもので、

平成12年に届いてから、ずっと大事に持っている切り抜きなのです。


繕うことが貧乏くさいという時代に生まれ育った私ですが、

これを見て繕うことのイメージが一変しました。



豊かになって繕うことが必要無くなった国は、ぼろの美しさに惹かれてしまうのでしょうか。。。



襤褸が生み出される背景は貧困といった 悲しくてつらい状況があり

心情も切々と伝わってきます。

そして、朽ちてく度に重ねられた布と補う糸の痕跡は　強くて、優しい。

繕う痕跡は キラキラと華やかな美しさと対極にあるものだけど、

物がたくさんあると気付けない　人間の底強さと知恵を見せられるからかして

凛として奥深く美しい。



そんな繕うことのイメージを抱きながら

今回、パッチステッチステッチ・チュニックを作ったのです。



実はこの服、 完成では ないんです。私の作業はここまで。。。。

後は、着るかたが年月と共に　布をあて糸で刺し　重ねて行って貰えたら

という願いが有ります。




豊かになっても、必要が無くても、繕いたくなるのは何故でしょうか。。。？

私は、襤褸を見てしまったからなのですが。。。




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